卒業式

はじめて投稿いたします。個別指導塾にらいかない　教室長の丸山渉です。

卒業式シーズンですね。ご卒業される方々は、旅立ちと門出に新たな想いを抱かられてることと思います。この時期の思い出として、10数年前に塾講師をしていた時のことを少し書きたいと思います。入試も終えて塾での最後の授業の中3生のクラスでのことです。進路が決まり浮かれ気分の生徒たちに交じり、どこかぼんやりしている生徒がいました。口数の多いタイプではないもののしっかりしていて同世代よりは精神的にも大人なタイプの生徒でしたが、受験も志望校に受かり喜んでいたはずだし、少し疲れていたのかなくらいに思っていましたが、他の生徒の卒業までの思い出作りや卒業式での楽しみなことのような話題には加わらず、何か怪訝な表情を浮かべていたことが気になり、声をかけると、浮かれムードに馴染めないとのことでした。他の生徒は「えっー」「なんで？」と驚いていました。そこで私は私の経験を少し話すことにしました。私は、中学の入学式を最後に、式という式に不参加を自分の意志でしてきたことを話しました。生徒の反応は予想以上に「なんでの？」の嵐と「変な先生とは思っていたけど・・・。」といった反応でした。

その日から数週間後に卒業した生徒たちが塾にお礼と卒業証書を見せに来てくれました。浮かれムードに馴染めないといっていた生徒は他の生徒が来た日には来ず、別の日に保護者の方と来てくれて、「先生の話で、モヤモヤが晴れて卒業式を欠席してきました。」との報告をされて、保護者の方に怒られるかなとドキドキしましたが、「子どもなりに色々考えてした決断なので・・。」とその生徒の意思を尊重されたとの話を聞き、「なぜ？卒業式は行われるのか？参加するのか？」等々様々なことを自分自身で考えるという稀有な経験を生徒がしてくれたことに、節目の事々がその人その人ごとに意味が違っても良いのではないかとの想いを新たにした思い出です。