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いじめについて③

講師ブログ いじめについて③

前回、これまでのいじめ対策・対応のことをざっくりと記しました。今回は少し進歩したいじめ対策・対応への兆しに関して

近年、弁護士による出張授業で、いじめの時の第三者(傍観者)に関して、その重要性が話されていますが、その背景にはいじめが常態化しにくい諸外国の事例の中で、第三者の果たす役割が大きいとの報告が上がっているからだと思います。

いじめの時の第三者とは、いじめに直接的には関与していないと、被害者が感じている人のことを一義的に差しますが、関与度合いは薄いものの関与していないと自認している加害者も含まれます。これは被害者の認識だけでは、関与していない人に対して、被害者側が好感情を持っていないことから加害者認定されてしまうこと、また、関与していても好感情を持っているが故に対象者を加害者と認識したくないなどの被害者の認識の歪みなども起こることから、その線引き自体は絶対的なものにはなりえないため、第三者の対象を広くとらえた上で、状況を整理するとの意図からです。

第三者は大きく分けて3者に分かれます。①加害者よりの第三者②被害者よりの第三者③いじめに全く関心がない、気が付かない第三者

 こうした分類をしたうえで、加害者にとって、第三者どのような存在かを確認した上で、いじめの構図の中で、果せる役割を導き出し、いじめ対応・対策を行うことがニュージーランドなどでは取り組みが進んでいます。

日本ではまだ「いじめはいけない事、それぞれの立場で考えてみよう」程度の取り組みにしかなっていない様子ですが、「いじめが許されない事」と認識するだけでは、不十分なことは、今までのいじめ対策が大きな効果を上げているとは言えない状況が続いている以上、明白だと思います。

いじめをしっかりと分析することで、いじめ自体、被害者側の問題はきっかっけに過ぎず、いじめ自体がコミュニティでどの様な効果を持つのか?そして、そのコミュニティに所属する個々人はどんな役割を果たすのか?こうしたことをシビアに分析して、対策・対応が進むことを期待したいと思います。

いじめは加害者にとっては、自身の地位確認(コミュニティにおける立場の確立)として機能しているケースが多々あり、いじりなどは、被害者を出しにして、加害者は面白い人として立場を確立するといった形で、社会的にも一定の許容されてしまっている事などは、もはや加害者と被害者の関係だけでは、語れないケースになります。



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