認知行動療法とは? ~考え方で楽に生きる~
講師ブログ個別指導塾にらいかない塾長の松原です。
以前、発達障害のお子様を持つ保護者とお話をした時に、お子様が一度頭に何か考えが浮かぶと頭から離れず、生活に困難が生じているという相談を受けました。
このような悩みを持つ方の助けになるかもしれないと思い、今回は「認知行動療法」について解説してみたいと思います。
「認知行動療法」とは、簡単に言うと、自分の思考や行動のパターンに気付き、見直すことで、問題やストレスへの対処方法を身につける心理療法です。
私が以前学んだアクセプタンス&コミットメント・セラピー(通称ACT)という認知行動療法の一種では、考え方を変えるのではなく、受け入れることを重視します。
例えば、頭に離れない考えを「トレー」に例えてみましょう。
支援者: 「今の考えをトレーと仮定して、トレーで目の前が見えなくなっている状態だと仮定します。(トレーを渡し、クライアントがご自身でトレーを持って目の前を覆ってもらう)」
支援者: 「その状態を解決するにはトレーをどうしたらいいと思いますか?」
クライアント: 「トレーを床におきます。」
支援者: 「なるほど。ではトレーを頭の上にあげてください。するとどうなりますか?」
クライアント: 「トレーが頭の上にありますが、前は見えます」
支援者: 「そうですね。トレーをなくそうとすると、かえって考えが強くなって頭から離れなくなることがあります。なくすのではなく、頭の片隅に置いておく程度に考えてみてください。」
このように、ACTでは、考えを無理やり消そうとするのではなく、受け入れて、うまく付き合っていく方法を学ぶことで、心の状態を改善することを目指します。
上記のやり取りは認知行動療法の一例ですが、様々な支援技術や心理効果を活用することで、より効果的に心の状態を改善することができます。今後も、このような様々な支援技術を発信していきます。